【東京高判平成11年11月29日】母衣旗事件

 そうすると、被告による本件商標の取得は、仮に、その主張するとおり、本件商標を自ら使用する意思をもってその出願に及んだものであるとしても、原告による、町の経済の振興を図るという地方公共団体としての政策目的に基づく公益的な施策に便乗して、その遂行を阻害し、公共的利益を損なう結果に至ることを知りながら、指定商品が限定されるとはいえ、該施策の中心に位置付けられている「母衣旗」名称による利益の独占を図る意図でしたものといわざるを得ず、本件商標は、公正な競業秩序を害するものであって、公序良俗に反するものというべきである。