【大阪高判平成12年12月01日】独占通侵害時の過失の推定

 意匠法四〇条本文は、「他人の意匠権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があったものと推定する。」と規定して、意匠権侵害者の過失を推定している。これは、登録意匠についてはその存在及び内容が公示されているから、業として新たに意匠を実施しようとする者は、その意匠が他人の意匠権を侵害するか否かを公示に基づいて調査することが可能であり、そのような調査を行うべきであり、その意匠が、他人の意匠権を侵害するものである場合には、調査を怠ったか、調査に基づいて適切な判断をしなかった等の過失があるものと推定されるからである。このように、意匠法四〇条本文が意匠権侵害者の過失を推定した根拠は、登録意匠の存在及び内容が公示されていることにあり、それが何人の権利であるかが公示されていることにはないから、登録意匠の権利者として公示されない独占的通常実施権者の法的利益の侵害行為についても、意匠法四〇条本文を類推適用するのが相当である。

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