H28改正動向(特104条の3は廃止?)

2015年06月21日 22:23

 「知的財産推進計画2015(案)」が出ました。詳細はリンク先PDFを参照ください。

 資料からは、「職務発明制度の改正(H27)」に続く、その次の改正(H28?)議論の活発化が読み取れます。具体的には、「知財紛争処理システムの活性化」を目的として、以下の議論(改正検討)がされています。

1.証拠収集手続について、
 文章提出命令と秘密保持命令の各制度が十分に機能していないと指摘しています。

2.権利の安定性について、
 進歩性は第一次的には「特許庁が産業政策上の判断としてその程度を微調整しながら適切に行うのが相当」との理由と、無効審判の審理遅延の著しい改善、および、付与後の異議申し立て制度の導入を含めて、特104条の3の「在り方」を再検討すべきとしています。

3.損害額について、
 特102条の1項が「あまり活用されていない」とし、現状の「実損賠償」の考え方から、研究開発投資の結果として生み出される特許権の侵害からの救済制度への見直しを指摘しています。

4.差止請求について、
 原則としては差止請求の制限はすべきでないとしつつ、差止請求権を背景とした高額ライセンス請求の問題を指摘しています。

 資料の冒頭で、「我が国が目指すべき方向」について、「国内外のユーザーから選択される実効性の高い知財紛争処理システムの実現とその利用が国内外のビジネス・スタンダードとなることであ(る)。」と説明されています。

 「選択される」つまり、ワールドワイドの特許権の行使において、訴訟の場として日本を選択してもらうための改正が、いよいよ本格化するのではないでしょうか。弁理士試験の観点では、無効理由の抗弁(@裁判所)と無効審判制度(@特許庁)の「ダブルトラックの問題」に対し、どのように決着を付けるのか興味深いところがあります。

 情報ソースは、政府(首相官邸)資料ですが、特許庁側においても同様な「勉強」が進んでいるものと思われます。弁理士の試験で問われる可能性のある観点と言えますので、しっかり勉強しておきましょう。

情報ソース:
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/150619/siryou2.pdf
14~19ページ

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