H23改正商標法

2016年05月02日 21:40
 
 今回は、平成の大改正と言われたH23改正の「改正商標法」に関してポイントを整理します。
 
 商標法には訂正制度がないので、キャッチボール現象や審決の確定範囲等に関する改正はありませんが、商標法特有の改正(及び改正されていない点)がありますので、主要なポイントを以下に列挙します。
 
 ・通常使用権の当然対抗制度(特99条)
 ・主張の制限(特104条の4)
 ・権利者の救済措置(商21条、65条の3)
 ・商4条1項13号の廃止
 
 
1.通常使用(実施)権の当然対抗制度(特99条)
 
第三十一条
4  通常使用権は、その登録をしたときは、その商標権若しくは専用使用権又はその商標権についての専用使用権をその後に取得した者に対しても、その効力を生ずる。
5  通常使用権の移転、変更、消滅又は処分の制限は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
 
 商標法では引き続き、登録が要件とされている点、注意しましょう。
 
 
2.主張の制限(特104条の4)
 
第三十八条の二  
商標権若しくは専用使用権の侵害又は第十三条の二第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)に規定する金銭の支払の請求に係る訴訟の終局判決が確定した後に、次に掲げる審決又は決定が確定したときは、当該訴訟の当事者であつた者は、当該終局判決に対する再審の訴え(当該訴訟を本案とする仮差押命令事件の債権者に対する損害賠償の請求を目的とする訴え並びに当該訴訟を本案とする仮処分命令事件の債権者に対する損害賠償及び不当利得返還の請求を目的とする訴えを含む。)においては、当該審決又は決定が確定したことを主張することができない。
一  当該商標登録を無効にすべき旨の審決
二  当該商標登録を取り消すべき旨の決定
 
 趣旨は特許法と変わりありませんが、「当該商標登録を取り消すべき旨の決定」も対象となっている点、注意が必要です(当然ですね)。
 
 
3.権利者の救済制度
 
 「更新登録の申請」と「防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録出願」に関する救済措置が設けられました(要件が緩和されました)。
 
第二十一条  前条第四項の規定により消滅したものとみなされた商標権の原商標権者は、同条第三項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内にその申請ができなかつたことについて正当な理由があるときは、その理由がなくなつた日から二月以内でその期間の経過後六月以内に限り、その申請をすることができる。
 
第六十五条の三
3  防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録の出願をする者は、前項の規定により更新登録の出願をすることができる期間内にその出願ができなかつたことについて正当な理由があるときは、その理由がなくなつた日から二月以内でその期間の経過後六月以内に限り、その出願をすることができる。
 
 特許法とは救済期間が「6月」となっている点が相違します。注意しましょうね。
 
 
4.4条1項13号の廃止
 
 4条1項13号は廃止されましが、消滅後の全てにおいて権利取得できるとは限りません。
 
第二十条
3  商標権者は、前項に規定する期間内に更新登録の申請をすることができないときは、その期間が経過した後であつても、その期間の経過後六月以内にその申請をすることができる。
4  商標権者が前項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内に、その申請をしないときは、その商標権は、存続期間の満了の時にさかのぼつて消滅したものとみなす。
 
第二十一条  前条第四項の規定により消滅したものとみなされた商標権の原商標権者は、同条第三項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内にその申請ができなかつたことについて正当な理由があるときは、その理由がなくなつた日から二月以内でその期間の経過後六月以内に限り、その申請をすることができる。
 
 無効審判により無効にされた場合や取消審判により取り消された場合等は、1年以内であっても登録が認められるように改正されましたが、存続期間満了により消滅した場合は、消滅後1年以内であっても登録が排除される可能性がある点、注意が必要です。
 
 改正ポイントは短答では頻出事項です。特に、H23年以降の改正ポイントは改正法解説書に当たっておくことをお勧めします。
 
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