H27改訂「隣接都道府県」要件は何処へ?

2015年03月09日 19:54

 H26商標法改正においては、地域団体商標の改正も行われています。条文レベルでは、主体要件が緩和されている点は、皆さんご存知のことと思います。

第七条の二  
・・・商工会、商工会 議所、特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に 規定する特定非営利活動法人又はこれらに相当する外国の法人(以下「組合等」という。)・・・


 さて、要注意なのは、審査基準です。これまで必ずと言って良い程に記載していた「隣接都道府県レベルの周知性(一定範囲の需要者、例えば、隣接都道府県に及ぶ程度の需要者)」についてですが、個別具体的な周知性の認定基準に変わっています。論文記載時には注意してください。

<H27改訂審査基準(地域団体商標)>
6.「需要者の間に広く認識されている」について
 商品又は役務の種類、需要者層、取引の実情等の個別事情によるが、全国的な需要者の間に認識されるには至っていなくとも、例えば、商品又は役務の種類及び流通経路等に応じた次の(1)ないし(4)の類型における一定範囲の需要者に認識されていることを要する。 なお、「肉牛」、「石材」等、主たる需要者層が取引者である商品又は役務については、需要者には、最終消費者のみならず、取引者も含まれることに留意する。


7.テレビ放送、新聞、インターネット等のメディアを利用し、大規模に宣伝広告及び販売等を行っている場合について
 (例)全国放送のテレビショッピング番組を利用して販売する商品

 テレビ放送等を利用し大規模に宣伝広告及び販売を行っている場合については、需要者は広範囲に及ぶと考えられることから、地域、商品の販売地又は役務の提供地における需要者を含め、複数の都道府県における相当程度の需要者の間に広く認識されている実情について考慮する。


 指定商品・役務の需要者を的確に把握し、その需要者を対象にした周知性を判断の基準に置いている点がポイントとなります。

 記事では、その他の審査基準改訂ポイントも記載されています。詳細は記事を参照ください。

情報ソース
https://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/pdf/tiikibrand/3-5.pdf
https://www.jpo.go.jp/iken/pdf/shohyo_141225_kekka/kaisei_kijun.pdf