意匠法の改正議論

2018年10月28日 17:24

 特許庁にて、6つの観点について「意匠制度の見直し」の議論がされています。

 ①画像デザインの保護について
 ②空間デザインの保護について
 ③関連意匠制度の拡充について
 ④意匠権の存続期間の延長について
 ⑤複数意匠一括出願の導入について
 ⑥物品区分表の見直しについて

 詳細はこちら「意匠制度の見直しの検討課題」を参照ください。
 https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/isyounew06/03.pdf


 「保護対象の拡充議論」としては最初の3つ(①~③)になります。
 以下、各論点で説明されている議論ポイントを抜粋しておきます。

①画像デザインの保護について
・物品に記録されたものではない画像について、どのように考えるか。(例)クラウド上の画像、ネットワークによって提供される画像 など
・その物品以外に表示される画像について、どのように考えるか。(例)一体として用いられる物品以外の物品に表示される画像、壁や人体に投影される画像 など
・物品の機能と関係のない画像について、どのように考えるか。(例)壁紙などの装飾的な画像、映画・ゲームの画像 など


②空間デザインの保護について
・例えば、「物品」(動産)に加えて、「建築物」(不動産)を意匠の保護対象に加えることが考えられないか。
・例えば、複数の物品(店舗内のカウンター、机や椅子)や建築物(壁や床の装飾)から構成され、全体として統一感のある内装について、一意匠(内装意匠)として登録を受けられるようにすることが考えられないか。
・店舗、オフィス等の内装をどこまで保護対象に含めるべきか。
・どのような審査登録実務(新規性、創作非容易性の判断など)が考えられるか。
・識別性を有する内装については、トレードドレスとして保護することも考えられないか。


③関連意匠制度の拡充について
・デザインコンセプトの保護ニーズの高まりを踏まえ、本意匠の公報発行日後における関連意匠の出願や、関連意匠の関連意匠の登録を認めることが考えられないか。
・その際、関連意匠の出願を認める期間をどのように設定すべきか。また、関連意匠の存続期間をどのように設定すべきか。


 各論点について、見直し議論への参加企業から「具体的な事例」が説明がされています。

①画像デザインの保護について
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/isyounew08/03.pdf
②空間デザインの保護について
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/isyounew07/03.pdf
③関連意匠制度の拡充について
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/isyounew07/04.pdf


 改正議論の内容は、弁理士試験でも取り上げられる可能性が高いポイントになります。

 上記リンク先資料に当たり、イメージを掴みつつ、論点(関連する条文)と見直しの方向性(可能性)についての理解を深めておきましょう。

弁理士 論文ゼミ(目白ゼミ)