冒認の関連条文

2016年05月26日 21:03
 
 短答本試が終わり、次はいよいよ「論文本試」ですね。
 
 論文本試では、改正テーマに関して広く問われる可能性があります。今回は「冒認テーマ」に関する条文を確認しておきましょう。
 
 まず、冒認出願は、拒絶理由および無効理由の対象となっている点は、皆さんご存知かと思います。
 
第四十九条  審査官は、特許出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
七  その特許出願人がその発明について特許を受ける権利を有していないとき。
 
第百二十三条  特許が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。
六  その特許がその発明について特許を受ける権利を有しない者の特許出願に対してされたとき(第七十四条第一項の規定による請求に基づき、その特許に係る特許権の移転の登録があつたときを除く。)。
 
 そして、平成23年改正により「特許権の移転請求」が認められましたが、その関係で、特74条と特79条の2が新設されました。
 
第七十四条  特許が第百二十三条第一項第二号に規定する要件に該当するとき(その特許が第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は同項第六号に規定する要件に該当するときは、当該特許に係る発明について特許を受ける権利を有する者は、経済産業省令で定めるところにより、その特許権者に対し、当該特許権の移転を請求することができる。
 
第七十九条の二  第七十四条第一項の規定による請求に基づく特許権の移転の登録の際現にその特許権、その特許権についての専用実施権又はその特許権若しくは専用実施権についての通常実施権を有していた者であつて、その特許権の移転の登録前に、特許が第百二十三条第一項第二号に規定する要件に該当すること(その特許が第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は同項第六号に規定する要件に該当することを知らないで、日本国内において当該発明の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。
 
 さらに、平成26年改正により特許異議の申立て制度が復活し、無効審判の請求人適格の要件が改正され(123条2項)、関連して権利行使の制限についても改正が行われています(104条の3第3項)。
 
第百二十三条
2  特許無効審判は、利害関係人(前項第二号(特許が第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は同項第六号に該当することを理由として特許無効審判を請求する場合にあつては、特許を受ける権利を有する者)に限り請求することができる。
 
第百四条の三
3  第百二十三条第二項の規定は、当該特許に係る発明について特許無効審判を請求することができる者以外の者が第一項の規定による攻撃又は防御の方法を提出することを妨げない。
 
 
 以上が、冒認に関する要件等が「現れている条文」ですが、逆に「現れていない条文」としては、以下の2つの改正が重要になります。
 
(先願)第三十九条
(特許異議の申立て)第百十三条
 
 冒認出願について「先願の地位」を認める改正を行った理由、特許異議の申立ての対象となっていない理由については、青本や改正法解説書に当たって確認しておきましょう。
 
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