「矢口真里」商標はないの?(10/26)

2014年10月26日 19:01

 商標「加護亜依」が登録されているようです。IPDLで調べてみました。確かに登録されていました。現在も当該商標権は存続しています。

 ちなみに、「ミニモニ。」の他メンバ「矢口真里」と「辻希美」の商標は登録されていないようです。

【登録番号】 第5287159号
【登録日】 平成21年(2009)12月11日
【標準文字商標】 加護亜依
【権利者】【氏名又は名称】 株式会社メインストリーム
【付加情報】 標準文字
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
41 演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,歌唱の上演,ダンスの演出又は上演,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,放送番組の制作,海外における教育実習・実務研修・語学研修・留学に関する情報の提供,インターナショナルスクール及びインターナショナルプリスクールにおける教育に関する情報の提供,英語教育に関する情報の提供,海外における教育実習・実務研修・語学研修・留学に関する企画及び運営,英会話の教授,インターナショナルスクール及びインターナショナルプリスクールにおける教育,高校卒業資格取得講座における知識の教授,通信教育による知識の教授


 IPDLの詳細情報を見ると、登録商標「加護亜依」に対し、取消し審判の請求がされているようです。

【審判番号】 2014-300394
【審判種別】 一部取り消し
【審判請求日】 平成26年(2014)5月27日


 弁理士の論文対策としては、まず、上記「一部」が注目されます。5つの取消し審判(50条から53条の2)が規定されていますが、その効果として「指定商品・役務」の「一部取消し」なのか「全部取消し」なのかの理解が重要です。本事案は、不使用取消し審判の請求(50条)でしょう。

 次に、加護亜依さん(本人)が商標「加護亜依」を使用できるか否かが問題となります。加護亜依は本名でもあるようですが、少なくとも「著名な芸名」に当たるとして商標権の効力は及ばないと言えるでしょう(26条)。

(商標権の効力が及ばない範囲)
第二十六条  商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となつているものを含む。)には、及ばない。
一  自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標



 さらに、記事では「現在も(解雇した事務所「株式会社メインストリーム」の)ホームページトップで加護さんが紹介されている異常事態になっている」と報じています。

「加護亜衣」という所謂ブランドを用いた各種サービスの訴求を狙った行為だと思われますが、一方で、商標権の維持という観点でも重要な行為であるとの理解が重要です。2条8号の広告的な使用行為により不使用取消し(50)を免れることができるからです。

(商標登録の取消しの審判)
[第五十条] 継続して三年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないときは、何人も、その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。
[第二条] この法律で「商標」とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。
八  商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為


 商標権者等が、国内において所定期間内、登録商標「加護亜衣」を使用していなければ、何人も、当該商標登録を取り消すことを請求することが可能です(50条)。

 上記ホームページを見る限りは、加護亜衣さん(本人)以外の芸能人に「加護亜衣」の名前を付けて各種芸能活動をさせている実態は無いようです。もしかすると、加護亜衣さん(本人)が、指定役務「演芸の上演,演劇の上演,音楽の演奏,歌唱の上演,ダンスの演出」の一部取消しを請求しているのかもしれませんね。

情報ソース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141024-00000008-jct-ent
https://www.main-stream.jp/index.html