進歩性@審査基準

2015年09月27日 20:56
 
 いわゆる「進歩性」の理解は、実務においても非常に重要です。
 
 論文においても重要で、過去には、一行問題で「いわゆる進歩性の判断について論ぜよ」と問われたこともあります。
 
 「進歩性」の判断手法は審査基準に記載があります。
 
進歩性の判断に係る基本的な考え方 
 審査官は、請求項に係る発明の進歩性の判断を、先行技術に基づいて、当業者が請求項に係る発明を容易に想到できたことの論理の構築(論理付け)ができるか否かを検討することにより行う。
 
 論文本試前までには、上記を再現できるよう準備しておきましょう。 
 
 さらに、審査基準では、「進歩性」が否定される方向と肯定される方向に働く要素が列挙されています。併せて、理解を深めておくことをお勧めします。
 
1.進歩性が否定される方向に働く要素 
(1)主引用発明に副引用発明を適用する動機付け
 ① 技術分野の関連性
 ② 課題の共通性
 ③ 作用、機能の共通性
 ④ 引用発明の内容中の示唆
(2)主引用発明からの設計変更等
(3)先行技術の単なる寄せ集め 
 
2.進歩性が肯定される方向に働く要素 
(1)有利な効果
(2)阻害要因 
 
 進歩性を否定する場合、一般的に「主引用発明(論理付けに最も適した一の引用発明)」が登場します。
 
 29条の2項(49条2号)を理由とする拒絶理由通知を受けた場合の措置の一つに「意見書」がありますが、引用発明と比較した有利な効果は「参酌」される点、および、引用発明に副引用発明を適用することを阻害する事情は進歩性を肯定する方向に働く要素となる点を覚えておきましょう。
 
カフェ勉情報
https://www.mesemi.com/news/cafe%E5%8B%89-%E9%96%8B%E5%82%AC%E4%B8%AD%EF%BC%81/
 
審査基準(進歩性)
https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/tukujitu_kijun/03_0202.pdf