継続的使用権って何?(H26改正)

2014年12月29日 19:38

 「改正附則は試験に出ない」とされていますが、侵害系の問題の「抗弁」として登場する可能性がありますので、ポイントを絞って、勉強しておくことをお勧めします。

 附則5条3項および5項に「継続的使用権」が規定されています。一見すると、地域団体商標(7条の2)の使用権(32条の2)に規定振りが似ています。保護対象の追加に際しては、既に使用されている商標に化体した業務上の信用を保護するため、一定条件下、継続使用できる権利を認めるという商標法の制度趣旨に沿ったものと考えられます。

<附則5条3項>
3 この法律の施行前から日本国内において不正競争の目的でなく他人の登録商標(この法律の施行後の商標登録出願に係るものを含む。)に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についてその登録商標又はこれに類似する商標の使用をしていた者は、継続してその商品又は役務についてその商標(新商標法第五条第二項第一号、第三号又は第四号に掲げるものに限る。以下第五項までにおいて同じ。)の使用をする場合は、この法律の施行の際現にその商標の使用をしてその商品又は役務に係る業務を行っている範囲内において、その商品又は役務についてその商標の使用をする権利を有する。当該業務を承継した者についても、同様とする。


(先使用による商標の使用をする権利)
第三十二条の二  他人の地域団体商標の商標登録出願前から日本国内において不正競争の目的でなくその商標登録出願に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についてその商標又はこれに類似する商標の使用をしていた者は、継続してその商品又は役務についてその商標の使用をする場合は、その商品又は役務についてその商標の使用をする権利を有する。当該業務を承継した者についても、同様とする。


 両者の比較において、注意すべきは、以下の2点です。

1.適用対象となる新しいタイプの商標
 「新商標法第五条第二項第一号、第三号又は第四号に掲げるものに限る。」とあり、「位置商標については、その商標を付す位置が特定されるにすぎないものである」との理由から、継続的使用権の対象外となっている点、注意が必要です。

2.継続使用できる範囲の制限
 「その商品又は役務に係る業務を行っている範囲内において」とあり、当該業務を行っている地理的範囲内での継続的使用を認めているに過ぎない点、および、附則5条5項において例外が規定されている点に注意が必要です。

<附則5条5項>
5 第三項の規定により商標の使用をする権利を有する者は、この法律の施行の際現にその商標がその者の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているときは、同項の規定にかかわらず、その商品又は役務についてその商標の使用をする権利を有する。当該業務を承継した者についても、同様とする。


 「需要者の間に広く認識されているとき」は、当該業務を行っている地理的範囲を超えて、継続的使用権が認められることになります。

情報ソース
http://www.jpo.go.jp/seido/s_shouhyou/new_shouhyou.htm
http://www.jpo.go.jp/shiryou/hourei/kakokai/pdf/tokkyo_kaisei26_36/04syou.pdf

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