朝日新聞出版に今度は“著作権侵害”の疑い

2014年10月02日 23:12
 編集著作物については12条に規定されています。翻案権は27条です。
 
[12条] 編集物でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。
[27条] 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。
 
 成美堂出版から出版された書籍『世界の絶景・秘境100』の現物が無いので正確なところは判りませんが、絶景(秘境)地のページ毎に著作権があり、それを編集した書籍と想像できます。
 しがたって、「その素材の選択又は配列によつて創作性を有するもの」に該当するため、書籍『世界の絶景・秘境100』は著作物性(編集著作物性)を有すると解することができ、また、保護期間(53条)も存続しているものと考えられます。
 
 記事では、書籍『日本の絶景&秘境100』を発行する朝日新聞出版が、成美堂出版の上記編集著作権を侵害するのでは?とする内容ですが、結論から言うと「非侵害」です。
 
 「絶景・秘境100選」というアイデアを流用していることにはなりますが、著作権はアイデアを保護対象としていません。あくまでも「表現」を保護するものです。
 
[2条1号] 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
 
 アイデアを盗用したとしても、編集物の素材が異なれば、編集著作権を侵害しないとするのが通説です。有名な事例に「職業別電話帳」があります。東京都の職業別電話帳に著作権が発生していたとして、それを盗用して、職業の分類や掲載順を真似て大阪府の職業別電話帳を作ったとしても、その素材が異なるので、編集著作権を侵害しないというのが通説になっています。
 
 ところで、本事案では、どうすれば、書籍『世界の絶景・秘境100』のアイデアを盗用されないようにできたのでしょうか?
 
 文字商標『世界の絶景・秘境100』での「商標権」取得が考えられます。しかし、本事案では、『世界の絶景・秘境100』は書籍の内容を表す題号であるため、拒絶理由通知の対象となります。拒絶理由通知の条文は何条でしょうか? 審査基準には書籍の題号に関する取り扱いがあります。この機会に勉強しておきましょう。
 
(商標法 審査基準 3条1項3号)
7.(1) 書籍の題号については、題号がただちに特定の内容を表示するものと認められるときは、品質を表示するものとする。 
    (2) 新聞、雑誌等の定期刊行物の題号は、原則として、自他商品の識別力があるものとする。 
 
情報ソース
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141001-00004407-sbunshun-soci

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