意3条の2だったら?

2015年06月14日 21:58

 H27年度の短答本試、第57問(第2枝)に「特29条の2と変更出願」の問題が出題されています。

〔57〕
2 甲は、自らした考案イを明細書に記載して実用新案登録出願Aをした後、その実用新案登録出願から3年以内で実用新案権の設定の登録がされる前に、出願Aを特許出願Bに変更した。 乙は出願Aの出願日後、かつ、出願Bへの変更日前に、自らした発明イを特許請求の範囲に記載して特許出願Cをした。出願公開された出願Bがいわゆる拡大された範囲の先願に当たるものとして、出願Cは拒絶されることがある。


 29条の2の「他の出願」が分割あるいは変更に係る場合、当該出願は、29条の2の適用においては、出願日の遡及効は得られません。

特許法 第四十四条
2  前項の場合は、新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなす。ただし、新たな特許出願が第二十九条の二に規定する他の特許出願又は実用新案法第三条の二に規定する特許出願に該当する場合におけるこれらの規定の適用及び第三十条第三項の規定の適用については、この限りでない。


特許法 第四十六条
6  第四十四条第二項から第四項までの規定は、第一項又は第二項の規定による出願の変更の場合に準用する。



 それでは、設問が「特許出願への変更」ではなく「意匠登録出願への変更」ではどうなるのでしょうか? 

 ポイントは、意匠公報が発行されたとして、3条の2の「他の出願」の出願日が遡及するか否かです。

意匠法 第十条の二
2  前項の規定による意匠登録出願の分割があつたときは、新たな意匠登録出願は、もとの意匠登録出願の時にしたものとみなす。ただし、第四条第三項並びに第十五条第一項において準用する特許法第四十三条第一項 及び第二項 (これらの規定を第十五条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項 において準用する場合を含む。)の規定の適用については、この限りでない。


 特44条2項(効果)では遡及効が規定されていますが、同項但し書きで、29条の2の「他の出願に該当する場合」は除外されています。つまり、遡及効がありません。

 一方、意10条の2第2項(効果)でも同様に遡及効が規定されていますが、同項但し書きには、3条の2の除外規定はありません。つまり、遡及効があります。

 他法域間の「似て非なる条文(特29条の2と意3条の2)」については、論文・短答共に頻出事項ですので、根拠条文を含めて理解を深めておきましょうね。

情報ソース
https://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h27benrisi_tan/question.pdf

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