審決の予告@H23改正

2016年05月05日 10:17
 
 H23改正で「審決の予告」制度が導入されました。
 
第百六十四条の二
審判長は、特許無効審判の事件が審決をするのに熟した場合において、審判の請求に理由があると認めるときその他の経済産業省令で定めるときは、審決の予告を当事者及び参加人にしなければならない。
 
 今回は、本条の導入に関連する条文を押さえることにしましょう。
 
 まず「審決の予告」制度の導入のきっかけは「キャッチボール現象の解消」であることはご存知ですか?
 
 キャッチボール現象が起こらないようにするために、特許無効審判が特許庁に係属中は訂正審判を遮断しました(126条)。
 
第百二十六条
2  訂正審判は、特許異議の申立て又は特許無効審判が特許庁に係属した時からその決定又は審決(請求項ごとに申立て又は請求がされた場合にあつては、その全ての決定又は審決)が確定するまでの間は、請求することができない。
 
 そして、訂正審判を遮断した代わりに、審決の予告後に「訂正請求ができるように」164条の2第2項を設け、訂正請求(134条の2)の5つめの類型として、164条の2第2項が追加されました。
 
第百六十四条の二
2  審判長は、前項の審決の予告をするときは、被請求人に対し、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求するための相当の期間を指定しなければならない。
 
第百三十四条の二
特許無効審判の被請求人は、前条第一項若しくは第二項、次条、第百五十三条第二項又は第百六十四条の二第二項の規定により指定された期間内に限り、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求することができる。 
 
 さらに、類似の規定である「審理の終結の通知」との関係を整理するため156条2項が新設されています。
 
第百五十六条
2  審判長は、特許無効審判においては、事件が審決をするのに熟した場合であつて第百六十四条の二第一項の審決の予告をしないとき、又は同項の審決の予告をした場合であつて同条第二項の規定により指定した期間内に被請求人が第百三十四条の二第一項の訂正の請求若しくは第十七条の五第二項の補正をしないときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。
 
 膨大な量の条文暗記は辛いですよね。
 
 バラバラに暗記するよりは、このように関連性を含めて暗記する方が、記憶の定着が進むと思いませんか?
 
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