富士フイルム、DHC製品の差し止め仮処分申請

2014年09月22日 23:05
 富士フイルムがDHCの化粧品販売(2商品)の製造販売の差し止めを求める仮処分を申請したようです。
 
 今回の係争がどのように展開するのか興味深いものがありますが、ファンケル事件と同様、DHCは該当商品の製造販売を中止し、富士フイルムとの交渉に当たるのではないでしょうか。DHCの商品販売の開始が今年の3月からで販売期間が短く、商品数も限られているので、損害賠償請求を提起するのは微妙だと思います。
 
 DHCの特許権侵害事件として、まだ記憶に新しいのが、ファンケルとの特許紛争です。地裁レベルで、DHCに対し、約1億6500万円の損害賠償の支払いを命じる判決が言い渡され、DHCは知財高裁へ控訴。並行して、DHCはファンケルの当該特許の無効審判を請求。特許庁はファンケルの当該特許に対して無効審決を言い渡し、ファンケルは知財高裁へ審決取り消し訴訟を提起。また、ファンケルは係争中に、製造販売の差し止めを求める仮処分命令を申請。その後、和解が成立しました。
 
 ファンケルとDHCの係争に関する地裁判決は、最高裁ホームの判例検索から、「平成22年(ワ)第26341号 特許権侵害差止等請求事件」で検索するとPDFがダウンロードできます。
 
 典型的なダブルトラックで事件が進んだようです。裁判所において特104条の3の抗弁を主張しつつ、特許庁に対する無効審判を請求しています。どちらかで「無効にすべきもの」との判断が下れば、DHCの勝ちですから、特許権者にとっては不利な特許制度ですね。
 
 弁理士の論文の勉強法としては、ダブルトラックの問題点が問われた時の準備をしておきましょう。また、裁判所と特許庁の連携が規定されている168条にも目を通しておくと良いでしょう。短答的な出題の可能性があり、条文を事前に見ておき書くべき号数をチェックしておきましょう。書き写すだけで得点が得られます。
 
第百六十八条  審判において必要があると認めるときは、他の審判の審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。
2  訴えの提起又は仮差押命令若しくは仮処分命令の申立てがあつた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、審決が確定するまでその訴訟手続を中止することができる。
3  裁判所は、特許権又は専用実施権の侵害に関する訴えの提起があつたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。その訴訟手続が完結したときも、また同様とする。
4  特許庁長官は、前項に規定する通知を受けたときは、その特許権についての審判の請求の有無を裁判所に通知するものとする。その審判の請求書の却下の決定、審決又は請求の取下げがあつたときも、また同様とする。
5  裁判所は、前項の規定によりその特許権についての審判の請求があつた旨の通知を受けた場合において、当該訴訟において第百四条の三第一項の規定による攻撃又は防御の方法を記載した書面がその通知前に既に提出され、又はその通知後に最初に提出されたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。
6  特許庁長官は、前項に規定する通知を受けたときは、裁判所に対し、当該訴訟の訴訟記録のうちその審判において審判官が必要と認める書面の写しの送付を求めることができる。
 
情報ソース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140922-00050078-yom-bus_all
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0916.html

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