実施可能要件とサポート要件は違う?

2015年10月19日 21:06
 実施可能要件とサポート要件は「結局同じ」と誤解されている実務担当者も少なくないのではないでしょうか。
 
 この点、青本には記載はなく、審査基準(H27.9改訂「4.1.2 実施可能要件とサポート要件との関係」)にその説明がされています。
 
<実施可能要件> 
 実施可能要件は、当業者が請求項に係る発明を実施することができる程度に、発明の詳細な説明に必要な事項を明確かつ十分に記載することについての記載要件である。
 
<サポート要件>
 サポート要件は、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであることについての記載要件である。
 
 このように、実施可能要件は「いわゆる当業者の実施能力と発明の詳細な説明」を比較するのに対し、サポート要件は「特許請求の範囲と発明の詳細の説明」を比較します。
 
 また、その趣旨においても異なる点、審査基準で説明がされています。
 
<趣旨(実施可能要件)>
 特許制度は発明を公開した者にその代償として一定期間一定の条 件で独占権を付与するものであるが、発明の詳細な説明の記載が、当業者が請 求項に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分になされていない場合は、当業者がその発明を実施することができず、発明の公開の意義も失われることになる。実施可能要件は、このことを防止するためのものである。 
 
<趣旨(サポート要件)>
 発明の詳細な説明に記載し ていない発明を特許請求の範囲に記載してもよいこととなれば、公開されていない発明について特許権が付与されることになる。サポート要件は、このことを防止するためのものである。
 
 ここ数年の特許法も「趣旨」問題が問われています。「明確性要件」違反と判事した「PBPクレーム最高裁判決(6月5日)」もあることから、記載要件(36条)は狙われる可能性の高い条文になると思います。
 
 しっかり勉強しておきましょうね。
 
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