大合議判決(均等論、第5要件)

2016年04月14日 19:17
 
 前回に続き、大合議判決(均等論)を取り上げます。
 平成27年(ネ)第10014号 特許権侵害行為差止請求控訴事件
 http://www.ip.courts.go.jp/hanrei/g_panel/index.html
 
 今回は第五要件についてです。
 
 判決では、以下の様に判事されています。
 
「出願人が,出願時に,特許請求の範囲外の他の構成を,特許請求の範囲に記載された構成中の異なる部分に代替するのとして認識していたものと客観的,外形的にみて認められるとき,例えば,出願人が明細書において当該他の構成による発明を記載しているとみることができるときや,出願人が出願当時に公表した論文等で特許請求の範囲外の他の構成による発明を記載しているときには,出願人が特許請求の範囲に当該他の構成を記載しなかったことは,第5要件における「特段の事情」に当たるものといえる。」
 
 理由としては以下とされています。
 
「なぜなら,上記のような場合には,特許権者の側において,特許請求の範囲を記載する際に,当該他の構成を特許請求の範囲から意識的に除外したもの,すなわち,当該他の構成が特許発明の技術的範囲に属しないことを承認したもの,又は外形的にそのように解されるような行動をとったものと理解することができ,そのような理解をする第三者の信頼は保護されるべきであるから,特許権者が後にこれに反して当該他の構成による対象製品等について均等の主張をすることは,禁反言の法理に照らして許されないからである。 」
 
 審査の過程において、例えば拒絶理由通知への対応として「構成を除外」した場合には「特段の事情」に当たると考えるのは容易に理解できることと思います。
 
 本判決によれば、明細書や出願当時に公表した論文等に記載はしているが特許請求の範囲に記載しなかった構成は、均等の第五要件に該当することになりそうです。
 
 「記載しなかった」ことが必ずしも意識的だっととも言えない事情もあるかと思いますが、皆さんはどう思われますか?
 
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