大合議判決(均等論、第一要件)

2016年04月11日 19:51
 
 久しぶりに大合議判決が出ました。
 平成27年(ネ)第10014号 特許権侵害行為差止請求控訴事件
 http://www.ip.courts.go.jp/hanrei/g_panel/index.html
 
 均等の第一要件と第五要件について判断手法等が示されています。
 
 今回は第一要件について採り上げます。
 
 判決では、本質的部分の認定を以下とすべきとしてます。
 
「特許発明における本質的部分とは,当該特許発明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分であると解すべきである。」
 
「特許発明の本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載,特に明細書記載の従来技術との比較から認定されるべきであり、(貢献の程度から認定されるべきである。)」
 
 ここまでは違和感は無いと思います。
 
 疑問を感じる(教えられたことと違うのでは?と感じる)のは以下の部分でしょう。 
 
「第1要件の判断,すなわち対象製品等との相違部分が非本質的部分であるかどうかを判断する際には,特許請求の範囲に記載された各構成要件を本質的部分と非本質的部分に分けた上で,本質的部分に当たる構成要件については一切均等を認めないと解するのではなく,上記のとおり確定される特許発明の本質的部分を対象製品等が共通に備えているかどうかを判断し,これを備えていると認められる場合には,相違部分は本質的部分ではないと判断すべきであ(る)。」
 
 大合議判決の判断手法では、本質的部分を把握の上、対象製品等が共通に備えているかを判断し、備えている場合には、相違部分が非本質部分であると認定されることになります。
 
 均等論を勉強する際、構成要件、例えば「a+b+c」と「a+b+d」を対比して、cとdが非本質部分か否かを検討するといった説明がされる関係で、通説とは違った考え方で理解している受験生も少なくないと思います。
 
 分かりやすさ(説明のし易さ)から解説されている事情も分からないわけではありませんが、「誤解をしたまま合格」するよりは「正しく理解した上で合格」することを目指すべきかと思いますので、少々時間がかかっても、上記通説の考え方を理解しておくことをお勧めします。
 
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