地団と4条1項11号

2016年01月18日 20:46
 
 H25年度の論文本試商標法(問題2)で、地域団体と4条1項11号を絡めた問題が出題されています。
 
 概略は以下の通りです。
 
 丙:「牛丼の提供」を指定役務とする「ABC牛丼」の文字と図形からなる商標で登録を受けている。
 甲:「牛丼の提供」を指定役務とする地域団体商標 「ABC牛丼」の出願を考えている。
 (ABCは地域名称)
 
 他人の先願・先登録商標と同一類似の商標は商標登録を受けることができないため(4条1項11号)、本問では、先願に係る文字+図形商標と後願の文字商標の類否が問題となります。
 
 この点に関しては、H17改正法解説書で説明がされています。
 
(補説2)地域団体商標と通常商標の先後願について(第4条第1項11号)
 地域団体商標の商標登録出願より先に出願された文字部分が同一又は類似の図形入りの登録商標が存在する場合であっても、原則として、かかる先願の登録商標の図形部分が商標の要部となるため、地域団体商標とは類似せず、後願の地域団体商標の商標登録出願は拒絶されないと考えられる。ただし、先願に係る登録商標が文字部分だけで周知となっている場合には、後願の地域団体商標と類似するとして、地域団体商標の商標登録出願が拒絶される可能性があると考えられる。
 
 
 「先願に係る登録商標が文字部分だけで周知となっている場合」の例外がありますが、通常は、類似するとして処理して良いでしょう。
 
 H25年度の問題の様に、改正法解説書のみに記載された内容からの出題もありますので、広く目を通しておくことをお勧めします。
 
 
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