国願法(調査報告vs.予備審査)

2016年04月28日 10:25
 
 前回に続き、国願法を取り上げます。
 
 今回は、国際調査報告と国際予備審査報告における、重要な相違点の理解を深めます。
 
 まず、それぞれの「報告の対象外とできる要件」の相違です。
 
第八条
2  審査官は、国際出願がその全部の請求の範囲につき次の各号の一に該当するときは、前項の規定にかかわらず、国際調査報告を作成しない旨の決定をしなければならない。
二  明細書、請求の範囲若しくは図面に必要な事項が記載されておらず、又はその記載が著しく不明確であるため、これらの書類に基づいて有効な国際調査をすることができないとき。
 
第十二条
2  審査官は、国際予備審査の請求に係る国際出願がその全部の請求の範囲につき次の各号の一に該当するときはその旨を、(・・・省略・・・)、国際予備審査報告に記載するものとする。
二  明細書、請求の範囲若しくは図面における記載が不明確であり、又は請求の範囲が明細書による十分な裏付けを欠いているため、請求の範囲に記載されている発明につき、条約第三十三条(2)、(3)又は(4)に規定する新規性、進歩性又は産業上の利用可能性についての同条(1)に規定する見解を示すことができないとき。
 
 国際調査は、国際調査をするために必要な明細書、請求の範囲、図面の記載要件として、「著しく不明確」であることが規定されています。
 
 一方、国際予備審査は、新規性・進歩性・産業上の利用可能性の見解を示すために必要な明細書、請求の範囲、図面の記載要件として、「不明確であり、又は請求の範囲が明細書による十分な裏付けを欠いている」として、特許法で言うと明確性要件とサポート要件、すなわち特36条レベルの記載要件を課していると言えます。
 
 次に、単一性違反時の対応についての相違です。
 
第八条
4  特許庁長官は、国際出願が条約第十七条(3)(a)の発明の単一性の要件を満たしていないときは、出願人に対し、相当の期間を指定して、七万八千円に請求の範囲に記載されている発明の数から一を減じて得た数を乗じて得た金額の範囲内において政令で定める金額の手数料を追加して納付すべきことを命じなければならない。
 
第十二条
3  特許庁長官は、国際予備審査の請求に係る国際出願が条約第三十四条(3)(a)の発明の単一性の要件を満たしていないときは、出願人に対し、相当の期間を指定して、国際予備審査を受けようとする請求の範囲を減縮し、又は二万千円に当該請求の範囲に記載されている発明の数から一を減じて得た数を乗じて得た金額の範囲内において政令で定める金額の手数料を追加して納付すべきことを命じなければならない。
 
 単一性違反の場合の対処としては、共に料金の追加納付がありますが、国際予備審査の場合は、更に「国際予備審査を受けようとする請求の範囲を減縮」する対処法があります。
 
 国願法では、「国際調査と予備審査請求」の他に「補正と補完命令」といった関連規定があり、似て非なる条文同士を入れ替えて、引っかけ問題を容易に作ることができます。
 
 注意して要件の暗記に努めましょうね。
 
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