同一性判断基準の改定要望(商3条2項)

2015年02月01日 11:02

 弁理士会から特許庁へ、3条2項の「商標および指定商品・役務」の同一性判断基準についての緩和に関する要望書が提出されています。

 立体商標(コカ・コーラ事件)の3条2項適用における「同一性」については、H23論文本試で問われています。容器に付された文字を外して立体的形状のみでの登録を認めた判例ですが、上記要望書は、長年の商標の使用の間に時代の要請に応じた若干の変更があることを背景としたものです。

 現行の審査基準は以下となります。

<現行審査基準>
2.(1) 本項を適用して登録が認められるのは、出願された商標及び指定商品又は指定役務と、使用されている商標及び商品又は役務とが同一の場合のみとする。
(2) 例えば、次のように、出願された商標と証明書に表示された商標とが異なる場合は、使用により識別力を有するに至った商標とは認められないものとする。
(イ) 出願された商標が草書体の漢字であるのに対し、証明書に表示された商標が楷書体又は行書体の漢字である場合
(ロ)以下省略


 確かに「商標」の同一性の判断基準は厳しいですね。判例も縦書きと横書き間で認められた判例(一富士事件)くらいでしょうか。

 商標権(禁止権)は類似範囲まで広がりますので、使用商標と同一で出願することに大きな問題はないように思います。また、不使用取り消し審判50条も「社会通念上の同一」まで広がりますので、この点も大きな問題はないように思います。

 より問題となり得るのは「指定商品・役務」の同一性の方ではないでしょうか。著名化した後に、時代の要請に合わせて商品・役務が類似範囲へ変更していくといった状況です。指定商品・役務を同一性を超えて判事した判例として、上記要望書でも取り上げているDB9事件がありますので、余裕のある受験生は判例に当たってみましょう。

 最後に、法律解釈の論じ方として、弁理士会の要望書は大変勉強になります。「必要性」と「許容性」の2観点から論述している点です。本試の現場で考えると時間が足りないので、法律解釈については事前に2つの側面からの論述を準備しておくことをお勧めします。

情報ソース
http://www.jpaa.or.jp/activity/appeal/2015/270129_appeal.pdf
http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/syouhyou_kijun/11_3-2.pdf

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