先取り!H26改訂商標審査基準

2014年12月02日 21:54

 商標法の審査基準の改訂作業が最終段階に入ったようです。5つの新しいタイプ(音、位置、動き、色彩のみ、ホログラム)の商標の審査に関する重要な基準となり、改訂ボリュームの多いので、早めにマスターしておきましょう!

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 さて、審査基準の最終版ではありませんが、「たたき台案(平成26年11月26日見え消し版)」資料を対象に、新しいタイプの商標に関する審査基準の学習ポイントを列挙しておきます。
 
1.商標の構成要素となるもの、ならないもの(3条1項全体、4条1項全体)
2.類否判断時の要部(独立して自他商品役務の識別標識としての機能を果たし得る部分)となるもの、ならないもの(4条1項11号)
3.新しいタイプの商標の構成要素(標章)が4条1項各号に該当する場合(4条1項全体)
4.「当然に備える特徴」の定義(4条1項18号)



 以下、それぞれのポイント要約です。

1.について、
 「動きの商標」については、「動きそのものは、商標の構成要素としないものとする」とされています。

 一方で、「軌跡」については、「標章が時間の経過に伴って変化する状態が軌跡として線等で表され、それが文字や図形等の標章を描く場合には、描かれたその標章が、第3条第1項各号の規定に該当するものであるか判断するものとする」とされている点、注意が必要です。

 また、「音商標」については、
「音商標を構成する音の要素(音楽、自然音等)及び言語的要素(歌詞等)を総合して、商標全体として考察するものとする」とされ、構成要素として「音の要素」および「言語的要素」の2つに分離して商標を捉えるとする考え方の理解が重要になります。


2.について、
 「動きの商標」については、「原則として、動きそのものについて、独立して自他商品役務の識別標識としての機能を果たし得る部分(以下「要部」という。)として抽出することはしない」とし、

 「軌跡」については、「自他商品役務の識別機能が認められない標章が動き、その軌跡が線で表されることで、文字や図形等の自他商品役務の識別機能が認められる標章を形成する動き商標と、その軌跡により形成される標章と同一又は類似の軌跡からなる標章を形成する動き商標は、原則として、商標全体として類似するものとする」として例外的な基準を置いています。

 また、「音商標」については、「音商標に含まれる音の要素と言語的要素が、分離観察が取引上不自然なほどに、不可分に結合していないときは、それぞれの要素を分離して観察し、要部として抽出するものとする」とされ、原則、2つの要素を分離して観察し、要部として抽出するとされています。

 さらに、「位置商標」については、「位置はそれ自体が独立して自他商品役務の識別標識として認識され難く、位置そのものは商標の構成要素とはなっていない。このため、位置そのものを要部として抽出して類否判断することはしない」とされ、一方で、「標章に自他商品役務の識別機能が認められない場合、商品に付される位置等によって需要者及び取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察しなければならない」とされています。

3.について、
 「動き商標、ホログラム商標、位置商標を構成する標章及び音商標を構成する言語的要素が第4条第1項各号に該当する場合には、原則として、商標全体として第4条第1項各号に該当するものとする」とされています。

 つまり、当該標章や構成要素の単位で、4条1項各号の該否を判断することが必要となる点に注意が必要です。

4.について、
「機能を確保するために不可欠な立体的形状のみ」か否かの判断基準は、現行審査基準では、以下です。

(イ) その機能を確保できる代替的な形状が他に存在するか否か。
(ロ) 商品又は包装の形状を当該代替的な立体的形状とした場合でも、同程度(若しくはそれ以下)の費用で生産できるものであるか否か。 

これが、改訂審査基準(案)では、「立体商標」「色彩のみの商標」「音商標」を統一的に、
(イ) 出願された商標が、商品等から自然発生する立体的形状(色彩、音)のみからなるものであること。
(ロ) 出願商標が、商品等の機能を確保するために不可欠な立体的形状(色彩、音)のみからなるものであること。
として定義し、さらに、(ロ)については、以下の2点を考慮するとされています。

・商品等の機能を確保できる代替的な立体的形状、色彩又は音が他に存在するか否か。
・代替可能な立体的形状、色彩又は音が存在する場合でも、同程度(若しくはそれ以下)の費用で生産できるものであるか否か。

 現行基準と比較すると、「当然に備える特徴」の判断基準は、現行の判断基準に、
 「出願された商標が、商品等から自然発生する立体的形状(色彩、音)のみからなるもの」か否かの基準が加わっていることになります。


 今回の改訂はかなり難解ですので、深く読み込まないと矛盾を感じる部分も多いと思います。原文に当たって理解を深めておきましょう。

情報ソース
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/t_mark_wg_new09shiryou/03.pdf
http://www.jiii.or.jp/h26_syouhyou/

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