優先権の効果は違う?

2016年07月10日 18:56

 パリ条約上の優先権といわゆる国内優先権では、その効果に相違はあるのでしょうか?


 パリ優先の効果は、パリ4条Bに規定されています。


パリ4条B

A(1)に規定する期間の満了前に他の同盟国においてされた後の出願は,その間に行われた行為,例えば,他の出願,当該発明の公表又は実施,当該意匠に係る物品の販売,当該商標の使用等によつて不利な取扱いを受けないものとし,また,これらの行為は,第三者のいかなる権利又は使用の権能をも生じさせない。


 国内優先の効果は特41条2項に規定されています。


特41条2項

優先権の主張を伴う特許出願に係る発明のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明についての第二十九条、第二十九条の二本文、・・・、第七十ニ条、・・・の規定の適用については、当該特許出願は、当該先の出願の時にされたものとみなす。


 規定振りは大きく異なりますが、両者の効果は基本的に同じです。この点、青本(19版)では以下の様に解説されています。


二項は特許出願等に基づく優先権の主張の効果を規定したもので、基本的にパリ条約による優先権の主張の効果(パリ条約四条B)と同等の効果を生じさせることとした。


 青本の解説はさらに続きます。


先の出願の日と優先権の主張を伴う後の出願の日の間になされた他人の出願等を排除し、又はその間に公知となった情報によっては特許性を失わない。


 順番は逆ですが、パリ条約4条Bで規定されている2つの効果を挙げて解説されているのが分かります。


 従って、特許法の場合、パリ優先の効果があるか否かは41条2項を見れば分かることになります。


 それでは、意匠法はどうでしょうか?


 H25年度の論文本試・意匠法で、パリ優先と意3条の2、利用関係が出題されています。


 意匠法には国内優先権制度が存在しないため、パリ優先権の効果(パリ4条B)をしっかり理解しておくことが重要です。


 しかし、悩んだ場合は、特41条2項を参照し、類似の規定があるかどうかで答えを導くことがてきる場合もあります。


 覚えておくと良いかも知れませんね。


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