使用時に隠れるiPhoneケースで意匠権?

2015年03月06日 21:06

 記事では「特許取得済のバスレフ構造」と記載されています。企業名その他で検索してみましたが、該当する特許情報は見つかりませんでした。

 特許取得に少々疑問が残りますが、ケースの特殊形状を対象に「意匠」による権利化の可能性もあった事案です。出願時の留意点としては、2つあります。一つ目は使用時にはiPhoneが固定されていてその特殊形状が視認できない点、二つ目は、ケースが「まっ黒」である点です。

 前者は「減速機付きモータ事件」が想起されます。しかし、今回は事案では、使用時には視認できない形状であっても取引過程において視認できるので、権利行使時にも問題は起こらないでしょう。

<減速機付きモーター事件>
 当該意匠に係る物品の流通過程において取引者,需要者が外部から視覚を通じて認識することができる物品の外観のみが,意匠法の保護の対象となるものであって,流通過程において外観に現れず視覚を通じて認識することができない物品の隠れた形状は考慮することができないものというべきである。


 後者は、黒色の凹凸で特殊形状が構成されている意匠の図面の作成方法が問題となります。この点、意6条5項で、このような事案にも対応できるようになっています。

(意匠登録出願)
第六条  意匠登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書に意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面を添付して特許庁長官に提出しなければならない。
5  第一項又は第二項の規定により提出する図面、写真又はひな形にその意匠の色彩を付するときは、白色又は黒色のうち一色については、彩色を省略することができる。


 過去に、短答の問題で「黒白の格子柄の片方の色の省略」についての設問が出て物議を醸したようですが、今回のiPhoneケースのような事例の方が相応しい問題設定だったと思います。

情報ソース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150222-00000013-mycomj-sci
https://ja-jp.facebook.com/ATTASA.Ltd/photos

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