「商標法第4条第1項第2号、第3号及び第5号の規定に基づく告示に対する意見募集」の結果について

2014年09月27日 23:07
 「提出意見数:0件」という結果です。意見募集の内容(目的)を確認せずに、結果だけを見て、思わず笑ってしまいました。4条1項2号3号5号で規定される「大臣指定」をするに当たっての事前確認ですので、0件の方が想定範囲で、逆に意見があったとなると興味ある事例になったと思います。
 
 さて、弁理士の論文の試験には、まず出題されない条文ですが、H23年改正条文ですので、短答と口述は準備しておいた方が良いでしょう。「2・3・5号は大臣指定」と語呂合わせで覚えていましたので参考にしてください。
 
[4条1項2号] パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国の国の紋章その他の記章(パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国の国旗を除く。)であつて、経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標
[4条1項3号] 国際連合その他の国際機関を表示する標章であつて経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標
[4条1項5号] 日本国又はパリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国の政府又は地方公共団体の監督用又は証明用の印章又は記号のうち経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の標章を有する商標であつて、その印章又は記号が用いられている商品又は役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をするもの
 
 今回の意見募集は、2・3・5号の全てが対象となった告示ですので、各号が想定している具体的な事例(マーク)で勉強ができますので、良い題材です。各国等から国際事務局を通じて通知がされた記章、標章、印章・記号は、以下の通りです。パリ条約6条の3に基づいた通知です。
 
<2号>
 1.オーストラリア連邦
 2.大韓民国
<3号>
 3.化学兵器の禁止のための機関
 4.アジア太平洋経済協力
<5号>
 5.大韓民国
 
[パリ条約6条の3(3)(a)] (1)及び(2)の規定を適用するため、同盟国は、国の記章並びに監督用及び証明用の公の記号及び印章であって各国が絶対的に又は一定の限度までこの条の規定に基づく保護の下に置くことを現に求めており又は将来求めることがあるものの一覧表並びにこの一覧表に加えられるその後のすべての変更を、国際事務局を通じて、相互に通知することに同意する。各同盟国は、通知された一覧表を適宜公衆の利用に供する。もっとも、その通知は、国の旗章に関しては義務的でない。
 
 今回の意見募集は、パリ条約6条の3(c)に規定される既得権の保護を目的としたものと考えれることができます。
 
[パリ条約6条の3(3)(c)] いずれの同盟国も,この条約がその同盟国において効力を生ずる前に善意で取得した権利の所有者の利益を害して(b)の規定を適用することを要しない。
 
 2・3号は指定商品・役務の限定がありませんが、5号は指定商品・役務の要件が含まれる点に注意しましょう。今回受けた通知の例では大韓民国の「航空機の認証」「木材製品の認証」「工業製品の認証」目的の監督用又は証明用の印章が、それに該当します。それぞれ指定商品は「航空機」「木材製品」「工業製品」と同一・類似の商品又は役務に限定されることになります。
 
情報ソース
http://www.jpo.go.jp/iken/shohyo_4_140619_kekka.htm
http://www.jpo.go.jp/iken/shohyo_4_140908.htm
http://www.jpo.go.jp/iken/shohyo_4_140908_bessi.htm

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